
(スタート前)
今年で30回目となる鈴鹿8耐。記念すべき大会とあって、決勝日を迎えた鈴鹿サーキットには、朝早くから大勢の観客が詰めかけた。この日は、午前7時半からピットウォークがスタート。9時から45分間のウォームアップ走行を挟み、オープニングセレモニーが開催された。このなかでは、ダンロップタイヤを履いて'80年の第3回大会を制したスズキGS1000や、同じくダンロップタイヤを履いて'81年大会で優勝したホンダRS1000など、過去の8耐マシンたちによるデモランも行なわれた。

そして10時50分になると、いよいよ決勝スタートへ向けての進行が開始。前日の予選で2番グリッドを獲得したYAMAHA RACING 21(#21)の中須賀克行選手と大崎誠之選手、9番手スタートとなるYAMAHA RACING 81(#81)の阿部典史選手とジェイミー・スタファー選手、11番グリッドから上位進出を狙うモリワキMOTULレーシング(#19)の山口辰也選手&レオン・キャミア選手、15番手スタートとなったSUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(#1)の3選手らが、ホームストレート上に並んで11時30分のスタートを待った。

(スタート〜1時間)
決勝レースは、気温33℃、路面温度47℃というコンディションのなかスタート。例年、波乱が起きやすい8耐の序盤数周だが、今年は非常にトラブルが少ない出だしとなった。このなかYAMAHA RACING 81(#81)の阿部典史選手は、9番グリッドから1周目3番手と大きくジャンプアップ。またYAMAHA RACING 21(#21)の中須賀克行選手も、1周目4番手とまずまずのスタートを決めた。しかし阿部選手は、30分経過時には8番手まで後退。いっぽう中須賀選手は、4周目以降に順位を落として6番手をキープしていたが、30分が経過した頃に前走者が転倒したため、5番手にポジションアップした。

ところが、その後はYAMAHA RACING 81(#81)にも抜かれて8番手まで後退。そして、残り約2周でライダー交代というところで、転倒してしまった。これによりYAMAHA RACING 21(#21)のマシンは大破し、中須賀選手は担架でコース脇へと運ばれた。YAMAHA RACING 81(#81)は50分経過時にライダー交代を行ない、1時間経過時には5番手を走行。また、9番手走行を続けていたモリワキMOTULレーシング(#19)は、フライングによる30秒のピットストップ・ペナルティにより、同17番手となった。

(1〜3時間)
スタートから1時間が経過してすぐ、トップを走行していたTEAM HRC 11(#11)が転倒。これにより上位勢は、ひとつずつポジションを上げ、YAMAHA RACING 81(#81)も4番手に浮上した。しかし、1時間半が経過した頃に、YAMAHA RACING 81(#81)は1台にパスされて再び5番手に。そして、1回目に続きライバルチームより早めのタイミングとなる46周目に、2度目のライダー交代を終えた。いっぽう、担架でコースサイドに運ばれた中須賀選手は、足と右手を負傷したものの大事には至らず、マシンのエンジンがかかったため、自力でピットへと戻った。

そして1時間45分が経過した頃にマシンの修復を終え、大崎選手の手によって再び走行を開始した。ところが、スタートから2時間20分頃に、今度は大崎選手がS字で転倒。マシンと大崎選手はピットまで戻ったものの、その後にリタイヤの判断が下された。3時間を走行した段階で、YAMAHA RACING 81(#81)は5番手をキープ。またモリワキMOTULレーシング(#19)は、この2時間でポジションを8つ回復して9番手。世界耐久を戦うSUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(#1)は、10番手で走行を続けた。

(3〜5時間)
レース開始から3時間を過ぎると、上位陣の順位変動やトラブルが少なくなった。しかし、ちょうどレース時間の半分となる4時間を経過した段階で、トップから4台までが108周を消化する、非常にハイスピードな展開が続いた。このなか、ライバルチームより1回多い、8回ルーティン・ピットインを選択することになったYAMAHA RACING 81(#81)は、106周をクリアして5番手を走行。またモリワキMOTULレーシング(#19)は、YAMAHA RACING 81(#81)から約1分遅れの8番手へとポジションアップ。さらにスズキ世界耐久組のSUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(#1)は、依然として10番手をキープして、レース後半へと臨んだ。

4時間10分を経過した頃には、SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(#1)がコースをオーバーランするシーンも見られたが、これはすぐにコースへと復帰。そしてその後の1時間を終えた段階でも、この3チームは同じ順位をキープすることになった。なお、気温がかなり上昇したことから、この時間帯には今年もまた、日陰へと避難したり水を浴びたりする観客の姿が、多く見受けられることになった。またライダーにとっても、暑さで体力を奪われる過酷な時間帯が続くことになった。

(5〜7時間)
5時間終了時で、6番手に同一周回の1分差と迫っていたモリワキMOTULレーシング(#19)が、その後の1時間で2台をパッシングする快走。これによりモリワキは、着実に5番手をキープし続けるYAMAHA RACING 81(#81)と約45秒差となる、6番手へと浮上してきた。また、昨年のこの鈴鹿8耐で現役引退を発表した、北川圭一氏が昨年まで所属していた、昨年度世界耐久選手権王者の証であるゼッケンを付けたSUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(#1)は、貫禄のレース運びで依然として10番手をキープ。同一周回の約13秒先を走る、9番手のチームを追っていた。

そして、レース開始から6時間半に到達しようかという169周目に、パッシングに成功。このSUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(#1)も、YAMAHA RACING 81(#81)と同じ8回ピット作戦のため、その5周後に給油とライダー交代を行なって順位を下げたが、相手チームが7時間経過直前でルーティン・ピットインしたため、給油のためのピットインをあと1回残すものの、9番手で最後の1時間を迎えることになった。また5番手のYAMAHA RACING 81(#81)と6番手を走るモリワキMOTULレーシング(#19)との差は、この1時間で30秒縮まり、約15秒となった。

(7時間〜ゴール)
そしてレースは、いよいよラスト1時間を迎えた。すると、レース時間残り50分強で、YAMAHA RACING 81(#81)を走らせていたスタファー選手が、エンジンオイルが漏れるトラブルによりピットイン。修復に4分ほど時間を費やしたため、阿部選手に交代してピットアウトした段階で10番手に順位を下げることになってしまった。これにより、モリワキMOTULレーシング(#19)は5番手、スズキ世界耐久チームのSUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(#1)は8番手へと順位をアップ。それぞれ、残り時間が40分ほどとなった段階で最後のピットインを行ない、そのままの順位で日が落ちたコースへと戻った。

そして、小さなヘッドライトを頼りに残り周回を走りきり、無事にチェッカーフラッグを受けた。これによりモリワキMOTULレーシング(#19)は、レースウィーク直前でのライダー変更というアクシデントを感じさせない戦いぶりをみせ、見事に5位入賞。また、本来なら6位入賞となるはずだったチームが失格扱いとなったため、SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(#1)はさらに順位を上げて7位、YAMAHA RACING 81(#81)は9位という結果となった。