
北川圭一選手のスズキカストロールチームは、鈴鹿8時間耐久ロードレースから2週間後、ドイツ、オシャスレーベンで行われた第6戦、オシャスレーベン24時間耐久レースに臨んだ。鈴鹿8耐は、3度の転倒を喫して38位という厳しい結果に終わり、首位のスズキカストロールとランキング2位のヤマハオーストリアの差は21点。24時間レースでは、優勝すると35点を獲得できるだけに、スズキカストロールにとって取りこぼしの許されない重要な1戦となった。

公式予選では、スズキカストロールのV・フィリップ選手が、2位につけたヤマハオーストリアにコンマ6秒の差をつけて、ポールポジションを獲得した。
「3人とも、同じようなタイムで周回できている。決勝用タイヤの調子もすごくいいので、いいレースができると思う」と予選後に北川選手は語った。
24時間耐久レースは、12日の午後3時にル・マン式でスタート。スズキカストロールは、スタート直後からトップに立った。2番手には、ライバルのヤマハオーストリアがつけ、この2台が序盤から後続車を離してトップ争いを展開していった。3位以下は、カワサキ・ボリジャー、4位にダンロップユーザーのヤマハ・フェーズワンがつけていた。
1度目のピットストップの後、ヤマハオーストリアのマシンに燃料供給装置のトラブルが発生。燃料ポンプを交換すると、6位に後退した。また、4位のヤマハフェーズワンもガソリン補給に手間取り、タイムロスしてしまう。
その後もトップのスズキカストロールは、ノントラブルで快走。ライバルたちを圧倒していく。2番手にはカワサキボリジャー、3位にはヤマハフェーズワンがつけていた。
4時間を終える頃、カワサキボリジャーにエンジンのオイル漏れというトラブルが発生して大きく後退。これで、スズキカストロールは2位以下に5周以上の差をつける、独走体制を築いた。2位争いは、後方から追い上げてきたヤマハオーストリアとヤマハフェーズワンが展開していた。
深夜を迎えたころ小雨が降り出し、コンディションの変化する難しいレースとなった。さらに、転倒車のためにセーフティカーが入るという波乱もあったが、スズキカストロールは慎重に走行を続けていた。完全な独走体制となっていたため、チームは余裕のライディングでトップを守っていった。

ところが、残り2時間を切ったころ、スズキカストロールにもアクシデントが襲う。ヴァンサン選手の走行中、チェーンが切れてしまったのだ。幸運にも、ピットレーンへの入口近くだったため、ヴァンサン選手はすぐにピットイン。チームスタッフが迅速にマシンを修復すると、トップでレースへ復帰した。
さらに、残り1時間となったときには、燃料漏れが発生。急きょ、燃料タンクを交換する事態となった。それでも耐久のエキスパートであるスズキカストロールチームは、素早くマシンを修復するとトップのままでコースへ戻った。

終盤の波乱の乗り越えたスズキカストロールは、891周を走り終えると今期4勝目を達成した。結果的に、ライバルのヤマハオーストリアに4周の差をつける、独走優勝だった。
「鈴鹿で、消化不良のレースをしてしまったので、ヨーロッパに戻ってきちんと勝つことができてよかったです。鈴鹿でへんな流れがついていたらと心配な面もあったけど、結果を出せたことは大きかった。今回はライバルのヤマハオーストリアも速くて、接戦になるかなと思っていたけど、僕らを追ってくるチームに次々にトラブルが起きた。僕らは序盤からコンスタントに走ってリードを広げていくことができた。最後は、チェーン切れやタンク破損という、リタイアにつながるようなことも起きた。やはり24時間レースは何が起こるか分らないと実感しました。トラブルにもきちんと対処できたので、ツキもあったんだと思います。今回はひとり65分から70分、1回に43周もしたので、すごく疲れました。でも、この優勝でいい流れができたと思うので、この勢いで2連覇を達成したいです」と北川選手。

この結果、スズキカストロールチームは、ランキング2位のヤマハオーストリアに28点の差をつけている。9月16、17日に行われるボルドール24時間レースで11位以上に入れば、2連覇を決めることになった。
また、ヤマハフェーズワンはトラブルに見舞われながらも、ヤマハオーストリアに次ぐ3位でゴール。ランキングでも3位につけている。オシャスレーベンでは、ダンロップを使用する2チームが表彰台に上がった。