オフロードにジャンプやコーナーなどを設けた人工コースで、誰が一番速いのかを、複数台のバイクが横一列でスタートして競うのがモトクロスレース。現在、そのモトクロスがメジャーなスポーツとしてもっとも浸透している国のひとつが、アメリカだ。ところで、そんなアメリカには2つの最高峰オフロードバイク競技シリーズがある。そのひとつがアウトドアで行なわれる伝統的かつ一般的なモトクロス競技のAMAモトクロス、そしてもうひとつがAMAスーパークロスだ。
AMAスーパークロスは、モトクロスとは少し異なり、野球場などのスタジアムに土を運び込んでつくられた、特設会場で行なわれる。コースは、ジャンプやフープスといったリズムセクションと、タイトターンを中心にレイアウトされる。コース幅も狭めで、かなりテクニカルな構成となっている。このシリーズには、アメリカンだけでなく世界中のトップライダーたちが集結。そのレベルは、モトクロス世界選手権に勝るとも劣らない。実際、AMAチャンピオンこそ世界最速だ、と信じている人は少なくない。
AMAスーパークロスには、2つの開催クラスがある。現在は「AMAスーパークロス」というカテゴリー呼称となったのが、4スト450cc以下/2スト250ccのマシンで競われるメインクラス。もうひとつが、4スト250cc以下/2スト125cc以下の「AMAスーパークロスライツ」だ。「AMAスーパークロス」は、2008年シーズンは1月5日に開幕。5月3日まで、全17戦が開催された。併催されるライツは、これを東西ふたつの地区に分け、それぞれが独立したシリーズ戦(イースト7戦/ウエスト8戦)として競われた。
このAMAスーパークロスで、これまでシリーズタイトル獲得をはじめとする数々の輝かしい成績を残してきたダンロップタイヤは、今季も多くのチームとライダーをサポートし、タイトル獲得を目指した。このうち「AMAスーパークロス」クラスの主なサポートライダーは、Honda Red Bull Racingのデビ・ミルサップス選手(#118)/アンドリュー・ショート選手(#29)/イバン・テデスコ選手(#9)、Torco Racing Fuels Hondaのケビン・ウインダム選手(#14)、MDK KTMのニック・ウェイ選手(#27)だ。
このなかでウインダム選手は、シーズン序盤から好調なレースを続け、ヒューストンで行なわれた第7戦で今季初優勝。超マディとなったデイトナでの第10戦を制すと、シーズン終盤の第15戦セントルイスと第16戦シアトルで連勝し、トップとわずか10ポイント差のランキング2番手で最終戦へと臨んだ。そして、残念ながら最終戦での逆転劇は生まれなかったものの、ウインダム選手はラスベガスの最終戦でも2位に入賞し、シリーズポイントランキング2位という好成績を収めた。ウインダム選手は、17戦で12回も表彰台に登壇。シーズン終盤にランキングトップの選手を追い詰め、最終戦までチャンピオン争いをもつれ込ませたことで、今季のAMAスーパークロスを近年まれに見るエキサイティングなものにした。
また、他のダンロップ勢も大活躍。テデスコ選手は、第5戦アナハイム3のプラクティスで負傷し、その後のレースを欠場したが、ミルサップス選手が第8戦アトランタでAMAスーパークロス初優勝を達成する一方で、ショート選手もシーズン終盤に表彰台に上がる活躍を繰り返し、し列なランキング3位争いを展開した。結局、チームメイト同士のこの争いは、ショート選手が3ポイント差で勝利。ショート選手がランキング3位、ミルサップス選手がランキング4位となった。またウェイ選手は、最終戦で6位入賞を果たすなどの結果、ランキング9位となった。さらにライツでは、Yamaha of Troyのジェイソン・ローレンス選手(#338)がウエスト、Torco Racing Fuels Hondaのトレイ・キャナード選手(#48)がイーストの、シリーズタイトルを獲得。ダンロップタイヤが両地区制覇を達成した。