仲城英幸選手 インタビュー

仲城英幸選手
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仲城英幸選手は、全日本選手権125クラスで全5回のタイトルを獲得、世界GP125クラスの参戦経験もある43歳の大ベテラン。
全日本参戦21年目の今年は、J-GP3クラスへエントリー。来年から始まる世界グランプリMoto3クラス用の4ストロークレーサー、ホンダNSF250Rの開発をしながら戦った。
そして、第6戦オートポリス、第7戦岡山と2連勝を飾る大活躍を披露した。その仲城選手に最終戦鈴鹿を前にインタビュー。マシンやタイヤ開発、2ストロークマシンと4ストロークマシンの違いなどについて語っていただいた。
 
−仲城さんはずっと2ストロークの125ccマシンで参戦されていましたが、2008年から4ストロークマシンでレースに出ていますね。2ストロークから4ストロークへの乗り替えは難しかったですか?
「2003年にはST600(4ストローク600ccのレース)に参戦していて、2005、2006、2007年は鈴鹿8耐に出たりしていたので、いきなりではなかったんです。4ストロークマシンでコースを走るのは違和感はないんですけど、タイムをかせぐところが2ストロークマシンと違うんですね。その辺が難しいです。」
 
−セッティングもだいぶ違うのでしょうか?
「2ストロークマシンと、4ストロークマシンではセッティングの味付けが違うんです。今年は、HRCが開発しているホンダNSF250Rの実戦テストをしていて、さまざまなデータ取りをやっています。」
 
−2ストロークマシン、4ストロークマシンのどっちが大変というのはありますか?
「初心者なら4ストロークマシンの方が扱いやすいですね。ただ、タイムを詰めていくのは難しいと思います。4ストロークマシンは一度速度が落ちると上げにくいので、コースによっては難しいところもありますね。ストップアンドゴーが多い、もてぎのようなコースは難しいです。」
 
−予選でタイムを上げていくやり方も違うんですね。
「2ストロークマシンだと、予選で次の周にタイムを出そうと思って、すぐに出せたりする。4ストロークマシンは全体的なアベレージを上げていかないと、タイムがでないんです。途中で遅いマシンにひっかかったりして車速が落ちると、戻すのに時間がかかるんですね。だから、何周か速く走っていって、だんだんとタイムを更新していかないとならないんです。」
 
−4ストロークマシン用のタイヤ開発もされていますね。タイヤもだいぶ違うのですか?
「NSF250R用のタイヤは、2ストローク125ccマシン用のタイヤと同じサイズなんですが、走っているときの加重のかかり方が違うので内容は違います。2008年から4ストローク用のタイヤを開発してきました。2ストロークエンジンは、(エンジン内のピストンが1回転するとき)毎回爆発するのに、4ストロークは(エンジン内のピストンが)2回回転するときに1回なんですね。それで2ストロークマシンではタイヤが急に滑りだすのに、4ストロークマシンではマイルドに滑り出す感じです。」
 
−具体的にはどのようなところが違うのですか?
「4ストロークマシン用のタイヤの方が、サイドの剛性が高いです。特にリアのサイドの剛性が高いです。タイヤをつぶして走るという表現がありますが、サイドの剛性がないと、タイヤがつぶれすぎちゃってマシンがうまく旋回しなかったりということがあります。」
 
−来年は、世界グランプリでMoto3クラス(4ストローク、250ccマシンのレース)が始まりますが、そのためのタイヤも開発しているのですか?
「そうですね。Moto3はダンロップのワンメイクになったので、それに使われます。新しいクラスということで、まだ分からないところもあるんですけど。マシンの馬力が分かってくれば、それに合わせて開発していくことになります。実際、先日の岡山の決勝は、来年Moto3で使う予定のミディアムというタイヤで走りました。」
 
−今年の仲城さんのレースについてうかがいます。オートポリス、岡山と2連勝しましたね。今年やりたいと思っていたことがまとまってきた感じですか?
「1戦、1戦、やっていくうちにまとまってきた感じですね。今回の鈴鹿は、オートポリスのいい状態、足回りできています。エンジンはほとんど変わっていないので、足回り、エンジンのバランスが大事なんです。けっこうセッティングは細かいですね。コーナーでタイムをかせぐとなると、どうしても細かくなってしまう。」
 
−第5戦菅生からは、仲城さんが開発に携わってきたホンダNSF250Rの市販レーサーでエントリーしてきた選手が7人エントリーしましたね。
「2008年から僕がレースしてきたノウハウが市販レーサーのNSF250Rに入っているので、このマシンに乗っているライダーが活躍するとうれしいですね。渡辺陽向選手とか」
 
−ところで、ダンロップのイベントでも仕事されていますね。
「はい。ダンロップサーキットステーションという走行会で、一般の人たちの先導をしたり。セーフティライドステーションというイベントでは、準インストラクターとして参加させてもらったりしています。」
 
−また、鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)では、講師として若いライダーを指導していますね。
「31歳のときからやってるから、12年くらいになりますね。だいたい9、10歳の子くらいから教えています。ポケバイをやっていた子だけじゃなくて、初心者も来ますよ。すごく楽しいです。」
 
−どんなことを教えているんですか?
「レースに対しての姿勢、心構え、走り、考え方、すべてですね。考え方に関しては、レースは甘いもんじゃないよといいます。安全についてとか、道具を使っているスポーツで、しっかりルールを守ってやらないとだめだと教えています。」
 
−教え子が全日本にもいますか?
「最近では、津田拓也、山本剛大あたりですね。生徒が活躍したり、成績を残すとうれしいですね。レースを辞めて、バイク関係の会社に就職する子もいます。」
 
−最近の若い子を教えていて、感じることは?
「今の子には、ハングリーさが欠けていることが多いです。SRSは海外の子との交流があって、タイやマレーシアのライダーも来るんです。同じレッスンすると、彼らは2日間くらいでコース覚えて、しっかり課題をクリアして帰る。彼らのがんばりを見て、いつもの生徒たちに“何をしていたんだ”といったりする。でも、今の子は、怒るとダメなことが多いので。ほめると伸びる子もいます。」
 
−マシン、タイヤだけでなく、ライダーも育てているんですね。来年のご予定は? 将来的には何かやりたいことはあるんですか?
「来年も、今年と同じようにマシン開発をしながらレースをしていく予定です。若い子たちが、僕を越えていってほしいなと思います。」
 
−何歳までレースを続けようと思っていますか?
「もう若い子たちに勝てなくなったら辞めようと思っていて、何歳で辞めようとは考えていないんです。将来、何をしようとかまだ具体的には見えてこないですね。オートバイやレースには関わっていくと思いますけど」
 
−他の趣味とかありますか?
「ゴルフもやったことはありますけど、単なる楽しみくらいでのめりこんだりしてないですね。やっぱりレースが一番楽しいです。」
 
−今日は、お忙しいところありがとうございます。これからもレース活動、マシンやタイヤ開発、ライダー育成にご活躍されることを期待しています。