小川友幸選手 インタビュー

小川友幸選手 インタビュー

インタビュー:小川友幸(ホンダ) チーム/HRCクラブMITANI マシン/ホンダRTL250F
※このインタビューは、2006全日本トライアル選手権第5戦北海道大会の前に行ったものです。

 


「今年はチャンピオンを穫りたい」

4ストローク・マシンに乗り換えて2年目となる今季。全日本トライアルのトップライダーで、「ダンロップとは、バイクに乗り始めた頃からの長いつきあい」と語る“ガッチ”こと小川友幸選手が、全8戦中4戦を終えて、2連勝を達成してのランキング2位と絶好調だ。そんな小川選手に、全日本チャンピオン獲得に向けての意気込みなどを聞いてみた。


−全日本トライアル第3戦関東新潟大会で、自身4年ぶりの優勝と、ホンダRTL250Fの全日本初優勝を成し遂げました。おめでとうございます。ところで、一番の勝因は?

「バイクのセットアップを、自分が追い求めていたところまで出来た。それが勝因だと思います。バイクが良くなるだけでなく、バイクに不安を抱えることなくライディングに集中できますからね。第3戦はヤマハにとって、4ストマシンのデビュー戦だったので、当然相手も勝つ気だったと思うし、絶対に負けられなかった。そのプレッシャーが良い方向に向かうように、スタート前のウォーミングアップから大事にしたのが良かったですね」


−そして続く第4戦近畿大会でも、地元出身のディフェンディングチャンピオン黒山健一選手を下して初の2連勝を成し遂げましたが……?
「第4戦は、2連勝を意識しすぎて身体が硬くなり、第3戦のような走りが出来なかった。でも“運”があった。これまでは“運”がなく負けていたところが、逆転優勝できた。“運も実力のうち”と言うので、良くない状態でも僅差で勝てたことが、大きな自信になりました」


−そしてさらに、6月に開催されたトライアル世界選手権「ウイダー日本グランプリ」でも、最終日(2日目)には1日目優勝者のトニー・ボウ選手にも勝って、自己最高となる6位を奪取しました。こうなると、次の第5戦北海道大会(8月6日、わっさむサーキット)は、3連勝といきたいところですね

「全日本では“勝ち方”が分かってきたし、世界選手権では“勝負どころ”も勉強させてもらいました。あとは、いかにしてそこへ自分を持っていくか。僕は相手を意識するよりも、自分との勝負が大事なので、自分に勝てれば結果はついてくると思います」


−4ストでの連勝という、世界選手権でもまだ達成されていない快挙を成し遂げた小川選手だけに、大いに期待したいと思います。そしてそのためには、タイヤの性能も重要になると思います。4ストでの連勝を達成した、ダンロップD803の強みとは?
「性能はもちろん上がっています。しかも、単に高いグリップ力を得られるだけではなく、テストを通じて僕が要求した通りにどんどん進化しているのを体感できます。また夏場の場合は、他のタイヤでは暑さでグニャグニャして、すごくヨレる感じがしますが、ダンロップはヨレにくく、しかも高いグリップ力を得ることが出来ます。それから、泥はけ性能が断然イイ。マディ(泥濘)で、バイクがスゴく前に進む。雪道で比べてみると一目瞭然で、他のタイヤではフロントが浮きませんが、D803は浮きます。反発力もあって、トライアル用に“良いところ取り”をしたタイヤだと思います。加えて、駆動力のかかり方を意識するなど、4ストでの使用も考えて進化が続けられていますから、大きな武器となっています」

−'04世界チャンピオン藤波選手や'05全日本チャンピオン黒山選手の兄貴分(3選手とも元は同チームの仲間同士)でもある小川選手ですが、暫定ランキングトップの黒山選手(現在6ポイント差)に勝ってチャンピオンとなる、自信のほどはいかがですか?

「自信と言えるほどの自信はまだないけれど、2連勝したことで、“今年は狙えるな”と考え方が変わりましたね。でも今6ポイント離れているし、よほどのことがない限り100%の自信を持つのは難しい。1戦1戦で、確実に勝つしかないと思っています。90年に自転車トライアル(13〜14歳クラス)の世界チャンピオンとなって、その後オートバイのトライアルに転向。国内B級、国内A級、国際B級ではすべてタイトルを獲得しました。2002年には、最終戦までチャンピオン争いをしながら破れ、悔しい思いをしましたけど、今年はぜひ国際A級スーパークラスのタイトルを獲得したいと思います!」


−この秋(10月4日)30歳の節目を迎える“ガッチ”にとって、今年はまたとない全日本チャンピオン獲得のチャンスですものね! いっぽうで、今後の目標とかは?

「やはり今年は、タイトルを獲るのが第1目標です。しかし、選手として成績を出すのはもちろんですが、僕はトライアル用タイヤやバイクの開発、トライアルスクールやトライアルを楽しむイベントなど、トライアルの入門から頂点まで全般にかかわっています。一般の方の意見も聞くことも出来ます。そうした自分の環境を生かして、今後のトライアルを発展させたいと思っています」


−最後に、このインタビューを読んでくれた方にメッセージを!

「イベントやスクールなどでも僕を知ってもらって、色々と見ていただきたいですね。僕は“GATTI(ガッチ)”というニックネームで呼ばれています。これは、“おがわっち”から発展したもので、最初はピンと来なかったのですが、イタリアでは猫のことを“ガッチ”と言うそうなので、今は“しなやかで美しいフォーム”と言われている僕にぴったりの愛称だと思っています(笑)。もっと多くの皆さんに、そんな僕の“流れるようなライディング”を見てもらえたら、これ以上うれしいことはないです。僕を通じて、見て知ってさらには乗って、トライアルを楽しんでください!」